CTとMRIの稼働率を向上させるには
CTとMRIの稼働率を上げて収益を最大化する
損益分岐点を超えるために必要な検査数と回転率
医療現場で導入されているCTやMRIは、高額なリース料や維持費が必要になってきますので、損益分岐点を越えるには、1日あたり一定件数の検査を行うことが必要です。そしてポイントになってくるのが回転率ですが、例えば検査1枠あたりに要する時間を短縮できれば、1日あたりで対応できる検査数も多くなるため、収益のアップが期待できます。そして「装置の空き時間をいかに埋めるか」という点も重要です。
稼働率が上がらない原因は検査時間の長さと読影医不足
実際には稼働率がなかなか上がらない原因は「検査時間の長さ」と「読影医の不足」という2点が考えられます。特にMRIは高い解像度の画像を得るには長い時間が必要となってくるため、検査そのものの時間がかかるといったことが挙げられます。 また、「読影医の不足」という点も稼働率を上げにくい要因のひとつです。読影医の不足により読影が遅れて検査予約の停滞を招いてしまい、結果として読影レポートが遅れてしまうことで現場のニーズに対応できず、検査依頼が減少してしまいます。
AI技術と高速撮像で検査時間を短縮する
撮影時間を短縮するAI画像再構成技術のメリット
近年AIを用いた画像再構成技術が検査時間の短縮につながる方法として期待されています。これは、ディープラーニングを用いてノイズの除去を行い、短時間でノイズが少ない高分解能画像を得られるようにしているものです。特にMRIはCTや超音波診断装置と比較して検査時間が長いことが課題となっていますが、この技術を活用することによって検査時間を短縮できれば、検査を受ける患者の負担軽減にもつながっていきます。
操作自動化で再撮影を減らし回転率を上げる
自動化技術を搭載した機器を使用することによって、ポジショニングや撮影範囲の自動設定を行えるようになり、経験によらない安定した検査を可能にします。人為的なミスによる再撮影を減らすことにつながるため、1件あたりの検査時間を短縮でき、回転数を上げられます。
患者の入退室フローを見直し検査枠を拡大する
AIを使用した高速化と合わせて、検査前後の動線を管理することもポイントのひとつといえます。検査を行うにあたり必要となる着替え準備や、入退室の誘導を効率化して装置が動いていない時間をできるだけ短くします。1件あたりの検査全体に必要な時間を少しでも短縮できれば、さらに検査枠を増やせる可能性も出てきます。
救急と病診連携を強化して検査の空き枠を埋める
断らない救急実現に必要な高速スキャン能力
救急患者の受け入れを行うには、短時間で広範囲の撮影が可能となる高いスキャン能力を持つ検査機器が必要です。このような機器を導入によって精度の高い診断が可能となり、緊急搬送の受け入れ枠の拡大が期待できます。また、救急患者の受け入れを増やすことは収益の増加だけではなく、地域医療への貢献にもつながります。
紹介検査を増やす即日予約と即日レポート返却
近隣クリニックからの紹介検査を積極的に受け入れる仕組みづくりも、検査の空き枠を埋めることにつながります。紹介医向けとして即日(または翌日)の検査枠を設定し、さらに読影レポートの迅速な返却を徹底することで、安定した外部需要を獲得できます。
狭小スペース対応モデルで増設し受入数を増やす
装置の増設にあたっては、その装置を設置するスペースが問題となるケースがあります。しかし、近年はコンパクト設計のCTやMRIも登場しています。このようなモデルを導入してすることで、検査の受け入れ数を増やせます。また装置の複数台導入により、万が一の故障リスク対策にもなります。
検査数増加に対応する遠隔画像診断の活用
検査が増えても読影遅延を起こさない体制づくり
検査数が増えたとしても、読影が完了するまでに時間がかかってしまうと、診療が滞ってしまいます。そのためには、読影遅延を起こさない体制づくりが重要になってきますが、選択肢のひとつとして遠隔画像診断を活用する方法が考えられます。外部のサービスの利用で一定のTATを維持することができ、現場では読影の遅れを気にすることなく検査枠を広げられるようになります。
常勤医不在の夜間休日も装置をフル稼働させる
常勤の医師が不在となる夜間や休日についても、CTやMRIを停止させずに遠隔画像診断サービスを活用することによって、より多くの検査数へ対応できるようになります。専門医による安定した読影体制を確保でき、さらに夜間や休日対応や読影遅延の解消にもつながります。
ハードウェア進化と外部委託を組み合わせ収益を高める
AIを搭載したハードウェアを用いて撮影を高速化し、さらに読影の外部委託により報告までの時間を短縮でき、収益の工場が期待できます。この点から、ハードの更新と外部読影の導入をセットで行うことによって、読影医が不足している場合や検査枠を広げたい場合にも、効率的に検査を行えるようになります。
まとめ
高度な機器を導入したとしても、読影が追いつかない場合には検査枠を広げることは困難です。この点から、CTやMRIの稼働率を向上させるには、AIの活用による撮影の高速化と、読影の外部委託を導入することによる報告の迅速化を両立させるという点が重要です。また、検査にかかる時間の短縮のためにも、患者の入退室フローの見直しや省スペースに対応した機器を増設するなどの対応も大切です。
