読影の見落としを防ぐ│エラーディフェンダー

読影(画像診断)レポートの見落としによる裁判事例

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目次INDEX

画像診断の見落としは
増えつつある

病気の発見や状態の確認に用いられている画像診断は、見落としが増加傾向にあります。2018年に報告された件数は7件でしたが、翌年には12件、2020年には11件と、報告件数が2桁を超えるようになりました

1年以内に見落としに気づいたケースが大半を占めますが、2年以上経ってから発覚したケースも見られます。見落としの発覚が遅れると、患者さんの病状が進行するだけでなく、命に関わるリスクもあります。日頃から万が一に備え、見落とさないよう対策を施すことが重要です。

参照元:公益財団法人日本医療機能評価機構公式HP(https://www.med-safe.jp/pdf/report_2020_3_R002.pdf

見落としのタイミングは2つ

画像診断で見落としが発生するタイミングは主に2つあります。

画像読影時

見落としリスクが高いのは画像読影時です。読影は、患者さんの状態を確認する重要なプロセスですが、見落としリスクが高い行為でもあります。読影には専門知識が求められるため、専門外の臓器に注意が行き届かず、結果として判断ミスに繋がるケースも見られます。見落とした後の状況によっては、裁判に発展する可能性もあります。

画像読影所見の確認時

画像診断では、所見(報告)を確認する際に見落としが発生するケースも見られます。報告書は患者さんの病気や状態について詳細に記載されており、診断結果に関わる重要な資料です。一方で報告内容を精査しなかった場合、病気を見落としてしまう可能性があります。見落としを防ぐには、読影時はもちろん、所見においても入念な確認が求められます。

損害賠償が発生した
見落とし事例

画像診断の見落としが損害賠償に繋がった事例です。

  1. 人間ドックを行っていた診療所(以下A)は、MRIで患者に異常の兆候を見つけた
  2. しかし、医師(以下B)に精密検査を受診するよう指示しなかった
  3. これによって患者は中咽頭がんの発見が遅れた
  4. 一方、Bは適切な対応を取ったため、発見の遅れは10日程度でとどまった
  5. その後、BはAを相手に訴訟を提起
  6. Aは過失を認め、裁判所はAに対してMRIの自費診療代金や慰謝料を支払うよう命じた

診療所がMRIで患者さんの異常な兆候を確認したものの、医師に精密検査を指示しなかったことから見落としが発生。医師が適切に対応したため見落としをすぐ発見できましたが、結果的に診療所は医師に慰謝料などを支払うこととなりました。

画像診断レポートを
見落とした事例

画像診断のレポートが見落としに繋がった事例をいくつかご紹介します。

画像・病理診断レポートを
確認していなかったケース

きっかけがなく、本来確認すべき
レポートがあることを思い出せなかった

他院から紹介された患者に対して、医師がCT検査を予約。画像を確認後、保存的治療を行うよう患者に説明した。しかし再受診の必要なしと判断し、その後予約を入れなかった。その後放射線科医がレポートを作成したが、患者の受診がなく医師は確認を忘れていた

診断レポートを確認したが、
異なるレポートであった

透析中の患者に対して年1回のCT検査を実施。後日一番上の画像検査レポートを確認し、患者に問題がないことを説明した。同様の目的で1年後にCT検査を実施した際、肺の結節影を確認。昨年確認したレポートは異なる年度のCT検査結果であると判明した。

診断レポートが
作成されていたことを知らなかった

カテーテルアブレーションを予定していた患者に冠動脈のCT検査を実施。主治医は放射線科医によるレポートが作成されていたことを知らなかった。数年後に患者は腎臓がんと診断されたが、以前の画像を確認したところ、CT検査時のレポートで腎腫瘍の疑いが指摘されていた

参照元:厚生労働科学研究成果データベース公式HP(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2018/183011/201821058A_upload/201821058A0008.pdf

レポートを確認したが、
適切な対応ができなかったケース

レポートを確認して対応を予定したが、
患者の受診日に思い出せなかった

大腸がん手術後に退院した患者に対して、検査目的で胸腹部のCT検査を実施。レポートを確認したところ要検査の記載があった。しかし、当時は外来診療直前で余裕がなかった。1ヶ月後に患者が来院したが、レポートの内容を失念してしまった

診断レポート記載の重要所見を
認識できなかった

胆嚢炎の疑いで入院した患者の診断レポートを確認した際、所見で胆嚢炎の疑いはないと確認した。しかし、それ以外の臓器の所見を確認しておらず、肝腫瘤の記載を見落とした

必要な対応を取るため患者に連絡したが、
連絡が取れなかった

CT検査で膵管拡張が認められ、患者に精密検査を推奨した。その後患者が予約日に受診しなかったため、自宅に電話をかけるも繋がらなかった。3ヶ月後に患者が来院した際に精査した結果、膵がんの疑いが判明した。なお、患者は当時骨折で他院に入院していた

対応が必要な所見に関する情報が、
医師間で伝達されなかった

CT検査で胸部大動脈瘤を指摘されたが、患者は循環器内科も受診していることから、主治医はそこでフォローされていると思い込んでいた。その後患者は胸部大動脈瘤で緊急入院したが、循環器内科は胸部大動脈瘤の所見を知らず、フォローもされていないと判明した。

参照元:厚生労働科学研究成果データベース公式HP(https://mhlw-grants.niph.go.jp/system/files/2018/183011/201821058A_upload/201821058A0008.pdf

見落とし防止の具体的対策

ダブルチェック体制の構築

画像診断の見落としを防ぐためには、ダブルチェック体制の構築が必要です。自院の医師はもちろん、遠隔画像診断など外部サービスで専門医の知見を得ることが求められます。複数の医師によるチェック体制が整えば、画像診断の見落としリスクを低減できます

医師の教育・トレーニング

医師の教育やトレーニングも重要です。画像診断に関する教育を取り入れることで、専門外の所見に対しても一定の評価が可能になります。読影の見落としリスクを低減させ、診断精度を高めることにも繋がります。

遠隔画像診断サービスの導入

遠隔画像診断も検討の余地があります。遠隔画像診断は主に専門医が読影をするため、診断の正確性を高めることが可能です。また、外部の専門医による知見を得られますので、画像診断におけるセカンドオピニオン的な使い方にも適しています。

AI技術の活用

画像診断にAI技術を取り入れることも一つの選択肢です。AIを活用すれば、小さな異常や兆候を発見できる可能性が高まります。見落としのリスクを低減できるほか、医師の負担も軽減可能です。

まとめ

画像診断の見落としはリスクが大きく、裁判に繋がるケースも見られます。見落としを予防するためには、ダブルチェックや遠隔画像診断を取り入れるなど、万が一を前提にした備えが必要です。見落としリスクを低減させることで診断精度が向上し、病院の信頼性も高まります。

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遠隔画像診断サービス
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監修 ワイズ・リーディング

ワイズ・リーディングでは、約130名の放射線診断専門医が在籍し、最大4重チェックでの読影を行っていることが特徴。一次読影後にダブルチェックを行い、必要に応じて25年以上の経験を持つベテランの放射線診断専門医が二次読影を行います。

さらにスライス枚数加算や部位加算を一切行わないことで、予算を心配せずに依頼できる仕組みを確立。医療施設がコスト削減のため、画像を減らすことがなくなり、より精度の高い診断を提供しています。

※2025年2月時点