読影(画像診断)レポート見落としが起こる件数
画像診断の見落としは、患者さんの病気の発見遅れ繋がるリスクがあります。しかし、年々報告件数は増加しており、裁判に発展するケースも少なくありません。リスクを減らすためには、見落としを予防する対策が求められます。
画像診断の見落としは
増えつつある
患者さんの命にも関わる画像診断は、年々見落としの報告件数が増えています。中には患者さんへの影響が大きな事例もあります。
報告件数が増えている
画像診断の見落としは、2018年に7件発生しましたが、翌年には12件に増加しています。2020年も同様に11件と2桁を超えており、2018年と比較して増えているのが実情です。
画像診断を見落とした当事者(医師)の職歴は、10年以上のベテランが大半を占めています。10年未満のケースも見られましたが、全体の一部でしかありません。職歴に関わらず、画像診断を見落としてしまうリスクが潜んでいます。
患者への影響が大きいものもある
画像診断の見落としは、患者さんに影響を与える可能性もあります。2017〜2020年に報告された32件のうち、障害なし(可能性なし)と判断された事例は10件でした。一方で障害の可能性が高いとされた事例は6件で、見落としが死亡に繋がった事例も2件あります。
全体の件数のうち、患者さんへの影響がなかった(少なかった)事例は3割程度しかありません。多くの場合、患者さんに何らかの影響が生じています。
見落としが起こった事例
以下では、画像診断の見落としが起こった事例をいくつかご紹介します。
放射線医の用語が
主治医に伝わらなかったケース
某整形外科では、ある患者さんの前腕悪性軟部腫瘍を手術し、肺転移の有無をフォローしていました。その後定期フォローのために患者さんにCT検査を実施。主治医は放射線医の報告書を確認したものの、専門用語・略語に気づかず、経過観察の判断を出しました。
その6ヶ月後、患者さんにCT検査を実施したところ、主治医は報告書に悪性腫瘍の記載があることを確認。過去の報告書を再確認したところ、放射線科医が記載した内容の見落としに気づきました。また、定期フォロー時は主に肺の所見を確認しており、肝臓の陰影には気づかなかったとのことです。
事案発生後、整形外科では、どの医師にも伝わるよう略語の使用を避けることに。報告書の記載内容のうち、指摘したい項目を強調する仕組みの導入も検討しました。
報告書の一部しか確認せず
見落としが発生したケース
子宮頚癌ⅢA期治療後の経過観察中にCT検査を実施し、骨盤内・局所のコントロールは良好と判断しました。しかし、報告書にあった肺やリンパ節への転移疑いの記載を見落とし、適切な治療を行わず経過観察を行いました。数カ月後、症状が改善しない患者さんは呼吸器内科を受診。頚部の多発リンパ節腫脹が認められました。
担当医は、原発巣に関する内容しか確認しておらず、カルテに報告書の内容をコピー&ペーストで記録したことで見落としが発生しました。診療所の定期カンファレンスで本症例も紹介されましたが、CT検査の前に実施されていたため、複数の医師で確認できなかったことも見落としに繋がりました。
見落とし発生後、医師が報告書を確認する際に、重要な所見を注視できるよう記載順序の定型化とフォントの変更を実施。担当医が外来診療前に検査結果を確認する仕組みも設けました。検査結果を説明する際は、患者さんや家族と一緒に画像をチェックする参加型方式も導入しました。
見落とし防止の具体的対策
画像診断の見落としを防ぐためには、もしもに備えた対策を取り入れる必要があります。
ダブルチェック体制の構築
2人以上の医師によるダブルチェック体制の構築は、画像診断の見落としリスクを大きく低減させます。体制を構築する手段としては、自院で新たに医師を採用する方法や、遠隔画像診断の導入などが挙げられます。遠隔画像診断であれば、コストを抑えながらダブルチェック体制を構築可能です。
医師の教育・トレーニング
医師の教育やトレーニングを実施すれば、診断の正確性が高まって見落としリスクを低減できます。医師の教育などを行う場合、院内で教育体制を構築する手段のほか、外部の研修やセミナーを活用する方法もあります。
遠隔画像診断サービスの導入
遠隔画像診断の導入も見落としリスク低減に繋がります。遠隔画像診断は、経験豊富な放射線診断専門医がチェックしますので、診断精度の向上が期待できます。また、外部の医師が画像診断を行うため、第三者の客観的な評価も得られます。
AI技術の活用
画像診断に特化したAIの導入も検討の余地があります。AIを取り入れることで見落としリスクを減らせるほか、医師の業務負荷を軽減できます。診断スピードの向上も期待できるため、病床や外患の回転率が改善される可能性もあります。
※外部サイトに飛びます。
仕組みを構築した
遠隔画像診断サービス

ワイズ・リーディングでは、約130名の放射線診断専門医が在籍※し、最大4重チェックでの読影を行っていることが特徴。一次読影後にダブルチェックを行い、必要に応じて25年以上の経験を持つベテランの放射線診断専門医が二次読影を行います。
さらにスライス枚数加算や部位加算を一切行わないことで、予算を心配せずに依頼できる仕組みを確立。医療施設がコスト削減のため、画像を減らすことがなくなり、より精度の高い診断を提供しています。

